医学部生等に対しての感染症教育は講義などによる受動的学習が主体でした。しかしながら、新型コロナウイルス感染症等の新興感染症や再興感染症に対応していくためには、最新の知識を得ることや、微生物検査(質量分析、遺伝子検査等)の技能・技術を修得して最大限に利用できること、医療関連感染対策を実践できること、多職種で連携できること等が当たり前に身にできることが大切で、そのためには専門的かつ実践的な教育・実習などの能動的学修が求められます。
富山大学では、オンライン学修システムやシミュレーション教育システム等を導入し、「統合的に感染症診療を実践する能力の修得」を目指し、医学部医学科生に限らず教育プログラムを試行し、充実・発展を図りつつ「感染症シームレス教育」の実現に向けて始動することとなりました。感染症に関する高度な知識と技能を有する医療従事者の養成を行いつつ、学外の医療従事者向けにも拡大していくことを計画しています。感染症に対して適切に対応できる医療従事者を継続的に育成し、感染症医療の強化を図ることを目的としています。